高知県とウサギとわたし

~ペットホスピスをつくります~

【1分BOOKS】小松成美( @komatsu_narumi )著 「逃げない」 16/1000

各界の13人のプロの生き方を、ノンフィクション作家 小松成美が描き出す、この「逃げない」という本。

 

この本の装丁を見た瞬間に、デザインからして強靱な意志を感じた。「逃げない」という、この文字フォント。一目見て、捕られて、逃げられない。

 

この本は、2011年3月11日の東北大震災のあと原稿を書く意欲を失った著者が、被災地で出会った人の「自分にできることをやってゆくしかない」という力強さに後押しされ、「心が折れない人の思いに迫るノンフィクションを書きたい」という想いが、形になったものである。

 

ここに描かれている13人は、想いも、立場も、責任も、震災の時の状況も、全て異なる。ただひとつ、共通している事実があると、著者は語る。

 

 彼らは、自分の立場から、仲間が求める責任から、決して逃げなかった、ということだ。
 どんなに苦しくても、進むべき未来が見いだせなくても、その場所から立ち去ろうとはしなかった。
 たとえ、敗者になろうと、心に傷を負おうと、逃げずに戦い、前を向いた。そうした者だけが、自らが掲げた目標と胸にある希望を求め続けることができた。新たな目的に向かって駆け出すことができた。
 逃げずに仲間や国を思う人は、躓いても転んでも必ず立ち上がり、何度でもやり直す機会と熱情を持つことができた。
 だからこそ、それを取材で知った私は、書き留めなければならないと、思った。活字という記号に変換することで、彼らの特別な経験を、世界に一つの完成を、未来に残したいと、願ったのだ。

 

重い。とても、とても重い言葉だ。

 

13人のインタビューを読むと、どれも胸に迫り、抉り取られるものがある。その中でも、わたしに一番響いた一文がある。作家 伊集院静さんのこの言葉。

 

「人は愚かに見えることでも、信じてやれば、必ずそれが『見えない精神の筋肉』になると思う。無駄なことの数というのは、何かを決断しなければならないときの、素晴らしい判断材料になる。あの時代を経験した私は、そう断言できますよ。」

 

 

大学生活を続けるために、あらゆる仕事に手を染めた、伊集院静さん。「それってキセキ」の最後の一文に通ずるものがある。

 

大丈夫。4人が一緒なら。オレたちには、少し穏やかな未来が、たぶん待っている。

わたしも日々、挑戦し続けている。「逃げない」ということは、立ち止まらないことではない。避けないことでもない。自分が「カッコイイ」と思うことを、愚直に続けることなのだ。

 

 ■この本もおすすめ