高知県とウサギとわたし

~ペットホスピスをつくります~

わたしが、神保町にある小さな定食屋「未来食堂」で「ただめし」する理由

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未来食堂の「ただめし」システムを初体験した、武田です。

 

先日も某ニュース番組の取材で、なぜ、「ただめし」をするのかと聞かれました。わたしなりには答えたのですが、ご納得いただけなかったようなので、改めて「ただめしをする理由」を書いてゆきます。

 

ちなみに、わたしの未来食堂スペックは、「まかない20回」「ただめし2回」「ただめし使用1回」「まかないさんありがとうの日皆勤賞」です。

 

未来食堂のまかないと、わたしがしている理由が知りたい方は、前回記事をご覧ください。

aisudog.hatenablog.com

 

 

今回のもくじ

●新システム「ただめし」とは
●どのように「ただめし」をするのか
●どうして「ただめし」をするのか
●「ただめし」券を使ってみた
●「未来食堂」とは何なのか

 

前回記事のもくじ

●わたしの、未来食堂との出会い
●突然「まかない」することになった
●なぜ「まかない」をするのか
●「まかない」をすることで得たものは?

 

 

●新システム「ただめし」とは

 

「ただめし」とは、「まかない」をするといただける一職務料の権利を、他人に「ただめし券」としてプレゼントできる仕組み、です。

 

ただめし
入り口壁に、ただめし券を貼っています。誰でも使えます。困ったときは使って下さい。未来食堂には、50分のお手伝いで一食もらえる”まかない”制度があります。ただめし券は、”まかない”をした誰かが、自分が食べる代わりに置いていった一食です。

 

新システム「ただめし」を開始します - 未来食堂日記(飲食店開業日記) 

miraishokudo.hatenablog.com

 

未来食堂の店主、小林せかいさんは、TABI LABOさんのこの記事をヒントに閃いたそうですが、わたしも、これは「ただめし」とは違います。


見知らぬ誰かの、代金を支払う。「ポストイット」を使ったピザ屋の、斬新な取り組み! | TABI LABO 

tabi-labo.com

 

 

●どのように「ただめし」をするのか

 

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単純に「ただめし」いいよね!とはいうは簡単ですが、実際にするには、段階が3つあります。

 

1) 未来食堂へゆく(初回はまかない不可)
2) まかないをする
3) 自分でまかないをいただかず、ただめしする


せかいさんの優しい気遣いで、最低限のお食事はいただけます。(お腹空きますから…)「ただめし体験」は、同日でも可能です。たとえば、11時にやってきてお食事をし、その日のうちに「まかない」し、ただめし券を壁に貼る。

 

この試み、1月10日に公表されました。わたしは公表されてからはじめての営業日に「まかない」だったので、初「ただめし」をしました。

 

 

●どうして「ただめし」をするのか

https://www.instagram.com/p/BBuMo90l0qC/

Instagram

 

先日の「まかないさんありがとうの日」でテレビ局の取材が入っていて、同じ質問をされました。「自分が働いたんだから、自分で食べたいじゃないですか。どうして?」

 

わたしは、「タイミングです」と答えました。全く、納得いただけませんでした(笑) これには少々説明が必要ですね。この考え方はわたしの考え方なので、まかないさん全ての考え方ではないことを、先にお断りします。


わたしは、この「ただめし」を毎回してはいません。1食いただくこともあります。お腹空いて、せかいさんが最低限のお食事をくださるとしても、こんな美味しい食事を目の前にして自分の欲を押さえるなんて、無理はいけません。

 

わたしが「ただめし」をしたのは、2つ理由があります。

 

>システム施行初の体験するタイミングが目の前にあったから
>食べるタイミングを逃した

 

ひとつずつ、説明をします。


>システム施行初の体験するタイミングが目の前にあったから

わたしは公表されてからはじめての営業日に「まかない」だったので、初「ただめし」の人になりました。これは、システム施行初体験するタイミングが目の前にあったからです。初というのは1回しかありませんから、やらない理由はありません。

 

>食べるタイミングを逃した

わたしは前回のまかないをする理由に書いたとおり、「まかない」をしてから出かける予定を立てています。


その日はまかないをしてから一食いただいて、目的地へ向かうつもりが、まかない時間が終わってもお店が忙しく満席でした。予定がなにもなければ、そのままお店が終わるまでお手伝いすることもあるのですが、次の予定があるのでそうもいかず。一食いただく席もないので、早々にお店を出ました。

 

後日、「まかないさんありがとうの日」に未来食堂へ行きました。この日は500円でお腹いっぱい食べられる日。そして手元には「ただめし券」があります。個人的なことですが、わたしはモノをすぐに落としたりなくします。ゆえに工夫をして生活しています。


「ただめし券」を持ち歩いていても、なくしてしまう可能性がわけです。少し歩くと、目の前に「ただめし券」を貼る壁がある。貼っていたらなくさないし、この券が必要な方が使ってくださる…じゃあ貼ろう!と壁に貼ったのでした。

 

  1. わたしが「まかない」したその日に、一食を食べられなかった
  2. 未来食堂を訪れた日は、まかないさんありがとうの日だった
  3. 「ただめし券」をなくす前に、貼った

 

と、箇条書きにすると、たった3行のことなのです。これが、わたしが「タイミング」と答えた理由です。本当に困っている人に使ってもらえたら、それはもちろん嬉しいですし、それが一番良いとは思っています。

 

せかいさんもブログにこう書かれています。

 

本当に困っている人が使って欲しいと、思いながら誰もが善意の糸を紡ぎ続けるのだと思います。
それはそれで素晴らしい事なのですが、本当に必要なことは、感謝の気持ち含めて何の”お返し”も期待しないこと、最後の100番目が『本当に困っている人』だとして、その前の99人が例え『使ったことを思い出しもしないような施しがいのない人』だとしても施しをするのかと、するのだと、そういう覚悟を決めることだと思います。99回踏みにじられても1回が誰かの支えになればそれで十分だと思います。
  
「ただめしw」とか笑いながら伝播されて、ノリで貼ったり剥がしたりして遊んでるくらいで良いんだと思います。大切なのは伝播されること。100回目に小さな何かが起こること。


わたしは、なにかものすごくよいことのために「ただめし」をしているのではないのです。タイミングが合ったときに「ただめし券」をはり、「誰に届くといいな~」という、そのくらいの気持ちです。


もっと詳しいこと、1ヶ月後の反響などは、未来食堂日記をご覧くださいませ。

 

「ただめし」開始1ヶ月の反響、新ルールの追加について - 未来食堂日記(飲食店開業日記)

miraishokudo.hatenablog.com

 


●「ただめし」券を使ってみたら「循環」がみえた

https://www.instagram.com/p/BB1cClxF0qf/

今日は未来食堂の「まかない」ではなく、「ただめし」してきました。「ただめし」は人とのつながりを実感できるシステムなのですね。

 

「武田さんのただめし券、○○さんが使ってたよ~」と、まかないをしにきたわたしに、せかいさんが教えてくれました。その方は、わたしの労働の対価を受け取ると覚悟した方なんだなと思いました。(ご本人がそこまで思っているかは、もちろんわかりませんが)

 

ちなみに、使われた券はアルバムに入れて展示されているので、だれでもその軌跡を見ることができます。おもしろいですね。

 

そこでわたしも、「ただめし」をするからには、「ただめし券」を使ってみることにしました。その日のまかないは、小沼さん。一緒にまかないをしたことがある、優しくて気遣いがすばらしい、物腰柔らかい素敵な方です。

 

「ただめし券使おうと思って!」というと、「わたしのあげる~:) 武田さんのために書くよ」と、小沼さんが直々に「ただめし券」を書いてくださいました。わたしは、その「ただめし券」にメッセージを書きました。せかいさんに渡しました。


その瞬間に「循環」が見えました。中学生の頃、お店の人にお金を渡したら、それが隣の友人に渡りました。そこでわたしは初めて「お金の循環」を意識したのですが、今回は「想いの循環」でした。

 

「これは、けっこう重いな」そう、思いました。壁に「ただめし」と貼られているモノを使うほうが、いくぶんか楽かもしれません。それくらいの覚悟を持って使ってもいいものではあるけれど、それは相手に望むのは全くの筋違い。「ただめしw」とネタとして使っていただくのも、それもアリなのだと思います。

 

これは実際にしてみないと、できない体験なので、よかったら未来食堂で「まかない」してみてくださいね。早い者勝ちですよ!

 

 

●「未来食堂」とは何なのか

https://www.instagram.com/p/-vC5fbF0t0/

開店前の、未来食堂。

まとめに入ります。「未来食堂」とは何なのかという、壮大なテーマの個人的意見です。

 

「未来食堂」は、せかいさんの想いがつくった「底が網の器」である

 

説明します。未来食堂のコンセプトは「あなたの“ふつう”をあつらえます」。そして、「誰もがふさわしい場所を目指すオーダーメイドの定食店」です。

 

あるテレビ取材のとき、せかいさんはインタビューアさんに話していました。「まかないは網」なのだと。そのコメントは使われることはありませんでしたが、この記事にすこし、その考えが載っています。

 

誰もがふさわしい場所を目指すオーダーメイドの定食店 | Episodico - 株式会社エピソディコ 

episodico.co.jp

 

未来食堂は「誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所」を目指しています。この理念を突き詰めた時、「お金を持っていない人を受け入れるにはどうしたら良いか」という疑問にぶつかりました。通常の飲食店経営では考える必要のないことですが、私の求める空間づくりにはどうしても必要なポイントだったのです。

一度店に来てくれた人とのつながりを大切にしたい。たとえお金が無くなっても、「ここに来れば何か食べられる」という場所を提供したい。そうした想いから生まれたシステムが「まかない」なのです。

 


わたしは、この考え方に、深く心に刻むように共感しています。


個人的なことですが、わたしは、ペットホスピスをつくることが夢です。それは、自分が動物看護師としていくつもの動物病院で働いてきた中で、わき起こった「違和感」があるからです。「どうして」「なぜ」。

 

病院は病気を治す場所であり、動物や飼主さんの心までケアすることができないことが多いです。できる限りのことはします。しかし、日々の診療の中で難しいことが多いのは事実です。病院と、患者さんの間の存在があったらいいのに…と人間の分野で見つけたのが、「マギーズセンター」でした。

 

現在は、マギーズセンターに近い施設、「ペットケアサービスLet's」に老犬介護の技術やコツを学んでいます。

 

今、「これをつくるんだ」という形はまだ見えていません。しかし、未来食堂と出会えたことで、想いを形にすることの大切さと大変さ、そこに共感して集う方々とつながることができました。


これから未来食堂は、さらなる広がりを見せるでしょう。その活躍を、こっそりと眺めながら、わたしは次の「まかない」をもって、「まかない卒業」します。(3月が最後)


この記事を最後まで読んでくださったみなさま、「未来食堂」をどうぞよろしくお願いいたします。

 

以上、わたしが、神保町にある小さな定食屋「未来食堂」で「ただめし」する理由、でした。

 

 

 

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